電気工夫
(直き時計はさま頑(かた)く、 憎(ぞう)に鍛えし瞳(め)は強し)
さはあれ攀ぢる電塔の、 四方に辛夷の花深き。
南風(かけつ)光の網織れば、 ごろろと鳴らす碍子群、
艸火のなかにまじらひて、 蹄のたぐひけぶるらし。