公子

   

   桐群に臘の花洽ち、      雲ははや夏を鋳そめぬ。

   

   熱はてし身をあざらけく、   軟風のきみにかぐへる。

   

   しかもあれ師はいましめて、  点竄の術得よといふ。

   

   桐の花むらさきに燃え、    夏の雲遠くながるゝ。

 

 


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