桐の木に青き花咲き
雲はいま 夏型をなす
熱疾みし身はあたらしく
きみをもふこころはくるし
父母のゆるさぬもゆゑ
きみわれと 年も同じく
ともに尚 はたちにみたず
われはなほなすこと多く
きみが辺は 八雲のかなた
わが父は わが病ごと
二たびの いたつきを得ぬ
火のごとくきみをおもへど
わが父にそむきかねたり
はるばるときみをのぞめば
桐の花 むらさきに燃え
夏の雲 遠くながるゝ
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