〔白金環の天末を〕

   

   白金環の天末を、     みなかみ遠くめぐらしつ、

   

   大煙突はひさびさに、   くろきけむりをあげにけり。

   

   

   けむり停まるみぞれ雲、  峡を覆ひてひくければ、

   

   大工業の光景(さま)なりと、 技師も出でたち仰ぎけり。

   

 


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