〔老いては冬の孔雀守る〕

   

   老いては冬の孔雀守る、    蒲の脛巾(はばき)とかはごろも、

   

   園の広場の午后二時は、    湯(くだ)のむせびたゞほのか。

   

   

   あるひはくらみまた燃えて、  降りくる雪の縞なすは、

   

   さは遠からぬ雲影の、     日を越し行くに外ならず。