大島紀行(4)

 私たちが大島で泊まった宿は三原山の山麓にあるので、窓の外には、原生林のような森と、太平洋が見えます。「maShio」というゲストハウスですが、料理もおいしく、 とても親切にしていただきました。

 さて、出発の日の今日は風が強く、海もかなり波が高いようです。朝食をとりながら見おろすと、 広い海原に白い波頭がたくさん動いています。
 今の時代には、「火の島」 に歌われているように「海鳴りのとゞろく日は/船もより来ぬ」とまではなりませんが、 それでもこのような日は、 定期便の発着港がいつもの元町港ではなくて、もっと北東寄りで山かげにある、岡田港に変更になるのだそうです。

 朝食を終えると小さな山道を越えて、岡田港までバスで行きました。港では、あたりの海を少し見たり、 屋台のサザエの壺焼きをつまんだりして、お昼すぎに汽船で大島を後にしました。高速船は波を突っ切って進み、見る間に島は小さくなります。

 連休でごったがえす熱海に着くと、なにか現世に戻ってきたような感じがしました。気温は25度を越え、日差しも夏のようです。 新幹線で京都に到着すると、こちらもまたすごい人混みです。