「気圏のいちばん上層」の発掘

 昨日の夜おそく、なにげなくNHKテレビを見ていたら、アメリカのNASAで行われているある研究が紹介されていました。 地球の上空2万mの稀薄な大気から宇宙塵を採集し、含まれている有機化合物を分析することによって、 地球における生命の起源を探ろうというのです。
 これを見て連想したのは、『春と修羅』-「」の、 「新進の大学士たちは気圏のいちばんの上層/きらびやかな氷窒素のあたりから/すてきな化石を発掘したり…」というところでした。

 生物の進化を研究するために、地中の奥深くではなく遥かな上空を調べるなどというのは、猫がしゃべったり汽車が銀河を走るみたいな、 無邪気な空想のように感じていたのですが、実際に似たことが行われているとは、不思議なことです。