Going on an Excursion (2)

 今日は、宮澤賢治の誕生日です。

 午前中は、瀬美温泉から山道を歩いて入畑ダムへ行き、詩碑を見ました。「〔二川こゝにて会したり〕」という文語詩ですが、 この詩にかぎらず(「 〔川しろじろとまじはりて〕」や「川ふたつ/ここに集ひて」など)、 賢治は二つの川が合流するという現象に、独特の愛着をいだいていたのではないかと思います。誰か一人の人間と 「どこまでもいつしよに行かうとする」ことを抑圧した賢治は、川がまじわってずっと一緒に流れていくことに、 何かの思い入れをしていたのでしょうか。

 午後からは、「宮沢賢治国際フェスティバル2000」の番外編としての「エクスカーション」(種山ヶ原バスツアー)に参加しました。 じつは私は今回、このエクスカーションに行きたくて、花巻まで来たようなものだったのです。
 バスに揺られて着いた高原は、もうあたりにすすきがたなびき、すっかり秋の空でした。種山ヶ原の風景は期待にたがわずすばらしく、 なかでも種山(871m)の頂上ちかくで、賢治がその上に立って「イーハトヴ県」を展望したという大きな岩の突起(「三六八 種山ヶ原(下書稿(一)第一形態)」) を目にしたときには、ほんとうに感激しました。
 またこのツアーのおかげで、「賢治の事務所」の加倉井さん、「森羅情報サービス」の渡辺さん、「宇宙文化研究所」の大山さんなど、これまでネットを通じてお世話になっている方々とも、 お会いすることができて、はるばる来た甲斐がありました。

 この日の写真等は、「宮沢賢治学会イーハトーブセンター」のホームページの、「第2回宮沢賢治国際研究大会速報レポート」で紹介されています。